アブサン

家の近くにアブサンバーがある。

22時、友達Nより、今からそっち行くからアブサン飲みに行こうぜとラインがある。

 

アブサンといえばヘミングウェイだが、いくつか読んだ小説の中ではどこで印象的に出てきたか覚えていない。

「二つの心臓の大きな川」が好きでこれを読むと、コーヒーが飲みたくなる。

ちなみに友達Nは「日はまた昇る」のジェイクに似ている。

 

バーにはかっこいい大人が2人いた。

俺たちも29歳と27歳で大人なのだが、その大人たちは結婚して子供もいてお金も稼いでいるイケおじだった。彼らは20代の頃にたくさん遊んで失敗もしておけと言っていて、ギャンブルに負けるのも今のうちと心の中で正当化しておいた。

 

友達Nは明日から東京を離れ、高知に1ヶ月泊まり込みで仕事に行くということで飲みたがっていた。俺も仕事は14時からだったので余裕があった。

道玄坂の上にあるクラブを教えてもらったが、時間は1時とまだ早かったので中目黒でもう一杯飲むことにした。そのクラブには遅い時間の方が可愛い子が来るらしい。

 

共通の酒豪女友達Pが最近酒癖が悪くなってきているという話をしながらバーに向かった。地下にあって綺麗な女の子がカウンターに立っているバーに行ったが、その子は休みだった。ただし男のマスターはワンピースのサンジに似たかっこいい人なので別に良かった。お客さんに可愛い女の子が2人来て帰って行った。芸能人を目指しているとか、モテるとかいう話をしているかわいい子たちだった。

 

その後、可愛いギャルでいっぱいという噂の道玄坂上のクラブに行ったが、

客は男しかいなかった。その中の酔っ払った男がじゃんけんで酒をかけようと言ってきて、勝ったのでハイボールを奢ってもらった。

 

最後はNと酸辣湯麺を渋谷で食べて解散した。

アブサンはやはり悪酔いしない。

ほろ酔いで東横線に乗って帰った。Nは横浜まで戻って14時羽田から高知にいく。